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2009年07月28日

蜂の一刺し、3連発

蜂の一刺し、3連発


居酒屋での会話 その@


駅近くの繁華街にある某大手チェーン店の居酒屋。
店内は会社帰りのサラリーマンで混雑しており、
その一角で、2人組の会社員らしき若い男性が、
生ビールを片手に談笑している。
つまり、ごく、自然な光景がそこにあった。


「 なあ、いきなりだけど、 」
「 なに?  」
「 最近、なんか、ぞっとしたことってある? 」
「 なんだよ、急に?  」
「 だからさ、最近、ぞっとして背筋が寒くなったり
  したことってあるかって聞いてるんだよ、 」

すると、聞かれた男はビールジョッキを持ったまま
少し考えて、それから答えた。

「 まあ、あるにはあるけど、 」
「 へへっ、やっぱりあるんだ。じゃあ、言って
  みろよ、 」
「 べつにいいけど、だけど、お前、自分がなんか
  言いたいからそんな話ふったんだろ?   」
「 ま、それもあるけど、それより先を言え、先、 」
「 まったく、勝手なヤツだな。だけど、最初に言っとく、
  オレの話、聞いてもたいしてつまんねーから、  」
「 いいよ、ぜひ、聞かせていただきたい、 」
「 わかった、わかった。 じゃ、言う。 題して
  『 蜂の一刺し、3連発 』! 」
「 はあ、なんだ、それ?  」
「 だから言っただろ、 オレの話はオカルトでも
  ホラーでもないからつまんないって、 」
「 いいから続けろって、 」
「 わかった、それじゃ始めるけど、お前も知っての通り、
  オレ、今まで女の子に泣かされた経験多数、 」
「 知ってる、知ってる、 お前とは同期で長いもんな、 」
「 そして、その中のワースト3が……  」
「 あっ、わかった、その女の子たちが、みんな
  かたっぱしから蜂に刺されたんだろ、 」
「 ピンポン! はい、当たり。次、君の番! 」
「 おいおい、ちょっと待てって、それがなんで
  ぞっとする話なんだよ?  」 
「 だから、つまんねー話だって、  」
「 つまんねー、か、面白いかはオレが決めるって、
  はい、続きを、 」
「 ホント、しつこいなー だけどさ、これって
  いちいち説明すると、ホント、長いんだけど、 」
「 じらすなって、 前置きはいいから、さっさと
  本題に入れってば、 」
「 うーん、じゃあ、言う。 あのな、1人目の
  女の子は家がけっこう金持ちの子で、 」
「 おっ、いいね、  逆玉じゃん!  」
「 そんないいもんじゃないって。 続けるけど、
  それで、その子、友だちと川にキャンプ兼カヌーに
  行って、そこで、食事の準備かなんかの最中に
  運悪くスズメバチの巣に触っちゃったらしくて… 」
「 あちゃー、痛そう。それで、けっきょくスズメバチに
  襲われたってこと? 」
「 うん、ふもとの救急病院の駆け込んだって。
  なんでも、ほっとくと最悪ショック死することも
  あるらしい。それでさ、彼女の場合、親が金持ち
  だし、性格がすげーきつい子だったんで、オレ、
 『 女王蜂が兵隊ハチに 襲われてどうすんだよ、』って、
  内心、ものすごく笑っちゃって……  」
「 うわっ、ひど! それで、次は? 」
「 えーっと、次か…  次は確か、 あっ、そうだ、
  2番目の子も山でバーべキュー中にスズメバチ、 」
「 お前の昔の彼女たち、ちょっと危なくないかい? 」 
「 まあ、待てって、 それでその子、いっしょにいた
  男友だちに[ 川に飛び込めっ、]って言われて
  そうしたらしい。 もちろん、着替えなんか全然
  持参もしてないのに、  」
「 あっはっはっ、 そりゃ災難だな、それで、次は? 」
「 おう、これが最後だ。最後の子は、なんかよく
  わかんねえーけど、その子の母親とすげえ仲良しで
  いつもいっしょに行動する子でさ、  」
「 ふんふん、お母ちゃんと仲良しね。ま、よくある話だ、
  それで、どうなったの?  」
「 その日も、母親の運転手役で植木に使う野生の
  植物あさりをするために、山へ行ったらしい… 」
「 それで、『みたび』スズメバチの攻撃を…  」
「 そう、それ!  だけどさー、 こんな話が3連発も
  あるといいかげん、ぞっとしたわ。まあ、オレは
  その場にはいなかったからいいけどさ、 」
「 ふ−ん。 で、話の結論として、お前のことを
  さんざん泣かした彼女たちが、お前に代わって
  スズメバチによってお仕置きされたってこと? 」
「 まあ、結果的としてはそういうことになるかな。
  ちょっと可哀そうだけどさっ、  」
「 いや、ちょっと待て! お前の話にはひとつ『穴』が
  ある。お前、その話、誰か他人から聞いた話か? 」
「 いや、3つともそれぞれ本人の口から直接聞いた、 」
「 もうひとつ聞く! その3人、お互いが知り合いで、
  お前の知らないところでつながっているとか? 」
「 いや、それは絶対にありえない。オレが全然関係の
  ないところでそれぞれ知り合った子たちだから、 」
「 ふーん、わかった。じゃあ、『穴』を指摘するぞ、
  その子たち、お前をさんざんふりまわして泣かせる前に
  スズメバチに襲われただろ、 だったら順番が逆だから
  お仕置きってはちょっとおかしい! 」
「 はいはい、ナイス指摘です。でも、お前、そんなに
  飲んでて、よくそんなこまかいことまでチェック
  できるな!  ホント、感心するわ、 」
「  へへっ、楽勝じゃん!  だけど、お前、確かに
  『 スズメバチ3連発 』なんて話、めったに
  聞かないけど、その話、そんなに怖い話か?  」
「 まあ、待てって、 まだ話のオチを言ってないから、 」
「 話のオチ? 」
「 うん、話のオチ。じつは、さっきのハチに刺された話、
  これって全部、彼女たちと完全に別れてから聞いた話
  なんだ。しかも、その時彼女たち、さっさと新しい男と
  付き合ったり、結婚なんかもしちゃっているのに、
  それでもずるずる彼女たちからコンタクトがあって、
  その時にメシ食ったりしながら聞いた話なんだ。
  ホント、女の人は怖いよ……  」
 









posted by jekugun at 23:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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